0.1秒の元彼 第一話【恋って、何?】

高校入学式。 

十六夜聖都高等学校というあまり有名ではない?所へ進学した。

部活では、少し有名だがそこまでではない。

紫蘭「はぁ~…あの校長先生…話長すぎ…」

人には聞こえないような声で私は呟いた筈だった。

?「ねぇ…長いよね…」

紫蘭「ねぇ………。……へ?」

?「…?どうしたの?」

紫蘭「…聞こえてた?」

?「うん。聞いちゃった☆」

下をチラッと可愛く見せたこの子は、同じクラスだった。

天音「天音よ☆宜しくね!」

私より少し背が高くて、セミロングの焦げ茶の女の子だった。

紫蘭「宜しく!」

私も笑ってみせた。

長い校長の話は終わって教室に戻った。

天音「もう~話しているときくらいはさ~座らせてほしいよね‼」

案外お話をする子だったとは、驚きだったけど話しやすかった。

紫蘭「あはは!確かに足とかマジ疲れたよね(笑)」

そんなありきたりな話を天音としていたら、急に肩に強い衝撃が走った。

紫蘭「ぅあ!す、すいません!」

先輩だったらどうしようとか考えていたら、同じクラスの男子だった。

弘樹「ぉあ?あ!ごめんなぁ(笑)怪我してねぇか?」

見た目怖かったけど、意外にも優しかった。

紫蘭「いえ…ありません。ごめんなさい!」

私は、天音の手を引っ張って急いで教室に入った。

天音「大丈夫なの?紫蘭?肩痛くない?」

天音が心配そうに肩を気にしてくれた。

紫蘭「え…?あぁ!大丈夫大丈夫‼私肩筋肉マンだからさ☆」

天音には大爆笑された。

天音「ねぇねぇ!さっき逃げたのって…ドキッて来たから?」

少し小悪魔な笑顔で私に近づく天音にデコピンして離した。

紫蘭「違うよ~!怖かっただけ~(笑)」

天音が「嘘だ~♫」と遊び半分に聞いてきた。

…ときめいたのかな?私…

紫蘭「…恋って、何だろうね…」

さすがにこの質問には天音も

黙った。

天音「……青☆春」

やっと静かになったのに天音はその雰囲気をぶち壊した。

紫蘭「も~(笑)」

きっと、あの人とさっきぶつかった人の笑顔が似ていて一瞬ときめいたに違いがない…。

私はあの時から、恋なんて分からなくなった。

ねぇ…君。

恋って、何だと思いますか?

        第一話  end